こんにちは!
心理カウンセラーの松田 真由です。
子育てをしていると、思わずイライラしてしまうことってありますよね。
特に、子どもが言うことを聞かなかったり、思うように動いてくれないと、
感情が高ぶってしまうのは誰にでもあることです。
でも、イライラが続くと、ママ自身も疲れてしまいますし、
子どもとの関係もギクシャクしてしまいます。
今回は、そんなお悩みを解決するために
- アドラー心理学の子育てを実践してわかったこと5選!
- イライラは仕方ないの?
についてご紹介します。
この記事を読むことで、イライラしてもいいんだと自分を受け入れることができて、
イライラ=自分を知るためのツールとしても活用することができるようになります。
心理カウンセラー松田 真由の事例も紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
松田についてはこちら▶ 松田 真由のプロフィール
アドラー心理学の子育てを実践してわかったこと5選!
子育てには多くの悩みや課題がありますが、その中で、私がアドラー心理学を実践して特に効果を感じた5つのポイントを選びました。
これらは、親子関係を改善し、子どもが自信を持って成長していけるための重要なステップです。
忙しいママでもすぐに実践できるものなので、ぜひ参考にしてみてください。
①イライラの裏にあるものと感情の目的|子どもの片付け問題を解決する方法
イライラしたとき、感情を抑え込むのではなく、その感情がどこから来ているのかを理解することが大切です。
アドラー心理学では、すべての感情や行動には目的があるとされています。
つまり、あなたがイライラするのは、その裏に叶えたい願望があるから
アドラー心理学では、その人の感情や行動にはある目的があるとされています。
何のためにイライラしているのか、何を望んでいるからその感情が生まれるのかを理解すると、少し冷静になっていきます。
具体例|片付けをしない子ども
私自身の体験をお話しします。
仕事を終えてようやく家に帰り、リビングに入った瞬間、目に飛び込んできたのは、散乱したおもちゃと放置されたお菓子の袋、そして床に置かれたままのランドセルでした。
その瞬間、イライラが一気に沸き上がり、「片付けてっていつも言ってるでしょ!」と怒鳴ってしまったのです。
当時は、子どもが片付けをしないことに対して、どうしても感情をコントロールできませんでした。
解決の第一歩
ここで一歩立ち止まり、イライラの裏にある願望に目を向けてみましょう。
子どもが片付けをしないときに感じるイライラの背景には、
「子どもに片付けができるようになってほしい」という願望や、
「家をきれいに保ちたい」という思いが隠れています。
この願望を実現するために、イライラが「怒り」という行動を引き起こし、何とか現状を変えようとしているのです。
そこで、イライラを感じたときには、まず深呼吸をして冷静さを取り戻し、
「私は何を叶えたくてイライラしているんだろう?」
と自分に問いかけてみましょう。
自分の感情の目的が見えてくると、少し心が軽くなり、感情に振り回されることなく、自分の気持ちを伝えることができるようになります。
実際に私が試した方法
私自身、時間を置いて冷静になったとき、「本当は子どもにどうしてほしかったのか?」と自分に問いかけました。
そうすることで、「子どもに言うことを聞いてもらいたかったんだ」と気づき、自分の感情を受け入れることができました。
まずは、こうした自己理解から始めることが、感情を健全に表現するための一歩です。
伝えるときのポイント
気持ちを伝える際には、主語を「私」にすることを意識しましょう。
「あなた」を主語にすると相手が反発しやすくなりますが、「私は〜してもらえるとうれしい」と伝えることで、相手に感情が柔らかく伝わりやすくなります。
たとえば、「(私は)片付けをしてもらえると助かるな」といった表現で、自分の気持ちを伝えてみましょう。
②アドラー心理学に学ぶ『課題の分離』|親子の関係をスムーズにする方法
アドラー心理学で重要なコンセプトのひとつが「課題の分離」です。
この考え方は、親と子どもそれぞれの課題をはっきり分け、親が子どもの課題に過度に介入しないことを促すものです。
誰の課題なのかを見極め、その責任を持つべき人に委ねることで、親子の関係がより健全に保たれます。
課題の分離の基本
まず大切なのは、その問題の最終的な責任を負うのは誰かを考えること。
親が子どもの課題に踏み込むと、かえって反発を招くことが多いのです。
実体験|勉強をしない子ども
「勉強しなさい」と言った途端、「わかってるよ!」と返される経験はありませんか?
私は息子が中学生の頃、テスト期間中にゲームをしている姿を見て、つい「勉強しなさい」と口出しをしてしまっていました。
当時の私は「言わないとやらない」と信じていましたが、実はそれが間違いだったのです。
この状況を他の場面に置き換えてみましょう。
もし、あなたがパートナーや上司から「ご飯を作りなさい」とか「頼んでた資料、今週までに仕上げてね」と言われたらどう感じるでしょうか?
やるつもりだったことでも、指示されることでやる気が失せてしまいませんか?
それと同じことが親子の間でも起きているのです。
勉強するかどうかは、最終的には子ども自身の課題です。
成績が悪くて困るのは学校に通っている子どもであり、親ではありません。
親が「勉強しなさい」と繰り返すと、子どもは反発するだけです。
解決の第一歩
ここで考えてほしいのは、「これは私の課題なのか、それとも子どもの課題なのか?」という問いかけです。
子どもの課題に踏み込みすぎないことで、親のイライラはかなり減るはずです。
実際に私が試した方法
息子がゲームに夢中になって成績が下がり始めたとき、私にとって「課題の分離」を実践するのは勇気が必要でした。
ですが、「何の目的があって私は不安を感じているのだろう」と自分に問いかけた結果、
息子に勉強を頑張ってもらうために、不安を使って息子に心配をかけないでもらうよう働きかける目的がありました。
成績が下がっているのは息子の課題ですが、不安は私自身の課題だったのです。
私は無意識に「子どもの成績=私の母親としての評価」と考えていました。
しかし、子どもは子どもであり、私は私。
そう考えることで、息子に過度なプレッシャーをかけずに済むようになりました。
子育ての全責任を親が背負う必要はないのです。
子どもが頼ってきたらどうする?|共同の課題へのステップ
「課題の分離」をして終わりではありません。
「何か困ったことがあったらいつでも相談してね」と一言添えることで、子どもも親に頼りやすくなります。
大切なのは、必要な時に部分的なサポートをすること。
例えば、息子が中学3年生になったとき、自分から「塾に行きたい」と言ってきました。
その時、私たちは「共同の課題」として塾の費用や送り迎えのサポートを話し合いました。
共同の課題にしない場合でも、「私に何かできることがあるかな?」と考え、子どもの好きな料理を作ったり、気分転換になるようなおやつを用意したりすることもあります。
課題の分離をしつつ、サポートできる部分を見つけて応援することが、親としてできる大切な役割です。
③子どもを信じることで育まれる自信|親が知っておくべき信頼の力
親はついつい子どもを心配してしまいますが、実はその「心配」が子どもの自信を奪ってしまうことがあります。
失敗を恐れるあまり、子どもはチャレンジができなくなってしまうのです。
それでは、なぜ親は子どもを心配してしまうのでしょうか?
「失敗はよくないこと」「子どもに苦労させたくない」という思い、あるいは「心配することでコントロールしたい」という無意識の欲求が、親にはあるのかもしれません。
しかし、その結果、子どもが自信を失い、失敗を恐れてチャレンジできなくなってしまうことがあります。
親の心配が、子どもが本来持つ行動力や好奇心にブレーキをかけてしまうのです。
こうした思いを手放し、「失敗は成長の一部」と受け入れ、子どもを信じて見守ることで、子どもは新たな挑戦に対する勇気を持つことができるようになります。
信頼とは
それは、子どもが自分で問題を解決する力を持っていると信じること。
失敗しても、時間がかかっても、子どもが自分の力で乗り越えると信じ、見守る姿勢が子どもの成長を促します。
実体験|ゲームばかりする子どもへの対応
息子が中学生だった頃、私は彼が夜遅くまでゲームをしているのを見て、成績が下がることを心配して
「ゲームばかりしないで、勉強しなさい」と口うるさく言っていました。
言うたびに反抗され、親子の関係はどんどん悪くなっていました。
ですが、「課題の分離」を学び、息子を信じて見守ると決意したとき、私は一歩引くことにしました。
「もう勉強のことは言わないようにするね」と彼に伝え、全てを任せることにしたのです。
成績は下がり続けましたが、私は息子を信じ、「彼は必ず乗り越えられる」と見守りました。
結果的に彼は自分で進路を決め、猛勉強を始めたのです。
厳しい状況にも関わらず、彼は自らの努力で合格を勝ち取ることができました。
この経験は、息子だけでなく私自身にとっても、大きな学びと成長の機会となりました。
解決の第一歩
「子どもを信じて見守る」ことで、親自身も気持ちが軽くなり、イライラする場面が少なくなります。
もし子どもが困っているように見えたら、「何か困ってる?」と優しく声をかけ、助けが必要なときに頼りやすい関係を作りましょう。
親が過度に先回りするのではなく、子どもが自分の力で助けを求める経験も、将来の大切なスキルとなります。
信じることは勇気のいること
信じることは一見簡単そうに見えますが、実際には親にとっても勇気のいることです。
というのも、多くの親は信じるといっても「信頼」ではなく「信用」をしようとしているのです。
アドラー心理学では、成績が上がったら子どものことを信じる、など条件付きの信用ではなく、無条件で信頼することが大切だと言われています。
さらに私は「できることなら子どもに苦労はさせたくない」と思う気持ちが強くあり、信じて見守ることが難しいと感じる時もありました。
ですが、そんな自分自身を受け入れ、「この経験から何を学べるだろう?」と問いかけることで、どんな失敗も貴重な経験になると感じられるようになりました。
大人になれば、すべて自己責任です。
ですが、子どもが親と一緒にいる間に失敗を経験し、親と一緒にその失敗を乗り越えることができれば、それは大人になってからも役立つはずです。
親もまた、信じて見守ることで成長していきましょう。
④勇気づけの力|結果ではなくプロセスに注目する育児の方法
アドラー心理学の「勇気づけ」とは、子どもの努力や挑戦といったプロセスに目を向け、結果だけに焦点を当てない育て方です。
失敗しても、頑張った過程を評価することで、子どもは自信を持ち、次のステップに進む勇気を持てるようになります。
実体験|テストの結果が良くなかった場合
息子が小学生の時、自主勉強を毎日1ページやるという約束で、彼はiPod touchをおねだりしました。
周りの友達がスマホを持っている中、私も「勉強するなら」と思い購入を決意しました。
しかし、手に入れた途端、彼はゲームに夢中になり、勉強はおろそかになってしまいました。
その結果、テストの成績も下がり、私は「ゲームばかりしてるからだ」「もっと勉強しないとダメ!」と怒りをぶつけてしまっていました。
これが「勇気くじき」と呼ばれるものです。
つまり、できていない部分や失敗に目を向け、それを指摘することで、子どものやる気を削いでしまうのです。
このような対応では、子どもはさらに勉強から遠ざかり、失敗を恐れるようになってしまいます。
解決の第一歩
逆に、「勇気づけ」とは、結果がどうであれ、その過程に目を向けることです。
たとえば、テストの結果が思わしくなかったとしても、「一生懸命に取り組んだんだね」「今回の頑張りが次につながるよ」といった前向きな言葉をかけることが大切です。
結果ばかりに注目せず、子どもの努力や挑戦を見つめ、それを認めることで、親自身も前向きになれますし、イライラも軽減されます。
私たちが受けてきた「減点方式」の教育では、できていない部分に目を向けがちですが、これでは子どもの個性や成長を見逃してしまいます。
そこで、できている部分を見つけて「加点方式」で子どもに接することで、日々の小さな成長や喜びを感じ取ることができるようになります。
積極的に、子どもの頑張りを認め、勇気づける言葉をかけていきましょう。
私の体験談
私も、子どもが反抗期を迎えたとき、初心に立ち返ることが大切だと気づきました。
子どもが生まれたとき、「元気でいてくれさえすればそれでいい」と心から思っていました。
それが、子どもが成長するにつれて、周りの親や同年代の子どもたちを見て、さまざまな期待や願望が生まれていたのです。
しかし、ふと立ち止まって考えてみると、
「毎日元気に家に帰ってきてくれる」
「一緒に食卓を囲める」
「朝、自分で起きて学校に行ってくれる」
これらの「当たり前」に感謝できるようになりました。
何気ない日常こそが、実はとてもありがたいものだと気づけたのです。
ぜひ、当たり前の中にある感謝すべきことを見直してみてください。
子どもが今、できていることに目を向け、それを大切に育てていきましょう。
⑤イライラを手放して仲の良い親子関係を築く方法
親として、子どもとの良好な関係を築きたいと願うのは自然なことです。
しかし、知らず知らずのうちに、その関係を悪化させてしまうことも少なくありません。
たとえば、なぜ私たちは子どもの行動に口を出したり、手を出したりしてしまうのでしょうか?
その背景には、「親の方が正しい」「子どもは未熟だから教えなければならない」という無意識の思い込みがあるのです。
アドラー心理学では、こうした親子関係を
「タテの関係」と「ヨコの関係」に分け、これらを見直すことが重要だとされています。
タテの関係とは?
「タテの関係」とは、親が上で子どもが下に位置する、いわゆる上下関係のことです。
多くの親は「親は子どもを守り、管理しなければならない」と考えがちです。
これは一見自然な考え方に思えるかもしれませんが、強調されすぎると、子どもは「親の期待に応えなければならない」「自分は親より劣っている」と感じるようになり、自己肯定感が低くなる恐れがあります。
また、親自身も「完璧でなければならない」とプレッシャーを感じ、ストレスやイライラを抱える原因にもなってしまいます。
ヨコの関係とは?
一方、「ヨコの関係」は、親子が対等に関わり合い、協力し合う関係を指します。
ここでの「対等」とは、人格的に同じ立場(平等)であるということと、人との考えや価値観の違いを受け入れるということです。
アドラー心理学では、親が「子どもも一人の独立した人間であり、親とは違う個性や考えを持っている」という前提で接することを大切にしています。
これはまるで、友人との関係のようなものです。
お互いに安心感を感じられ、困ったときには助け合えるような、温かく協力的な関係です。
このようなヨコの関係を築くことで、子どもは安心し、親子の絆が深まります。
ヨコの関係を築くための具体的な方法
子どもを信頼する
子どもにも自分で考え、行動する力があると信じましょう。親は必要な時にサポートをするだけで、過度に干渉しないことが大切です。
課題の分離
子どもの課題と親の課題を明確に分け、子どもの成長を見守りながら、必要なときに助言するスタンスを取ります。
勇気づけ
失敗したときに責めるのではなく、その挑戦や努力を認め、「よく頑張ったね」と前向きな声掛けをしましょう。
今日から少しずつ、ヨコの関係を意識することで、イライラを手放して仲の良い親子関係を築くための一歩を踏み出してくださいね。
解決の第一歩
今日から、少しずつ「ヨコの関係」を意識してみましょう。
そうすることで、イライラが減り、親も子どももお互いを尊重し合える、健やかな親子関係が築けるようになります。
「親が常に上」というプレッシャーを手放し、子どもの成長を温かく見守る姿勢が、より良い関係を作るためのカギです。
ぜひ、今からその一歩を踏み出してください。
「イライラ」は仕方ないの?
これまでの5選を通して、さまざまなイライラに向き合ってきましたが、実はそのイライラは、子どものことを真剣に考えているからこそ湧き上がる感情だと気づけたのではないでしょうか?
イライラは、親が自身の本当の気持ちに気づくきっかけであり、親子の成長に繋がる貴重なサインです。
その感情に気づき、しっかりと向き合うことで、自分自身を深く理解し、子育てのしんどさを少しずつ手放すことができるようになります。
イライラは単なる「悪い感情」ではなく、大切なことに気づかせてくれるメッセージだと考えてみましょう。
まとめ
今回の記事では、以下のテーマについて解説しました。
- アドラー心理学の子育てを実践してわかったこと5選!
- 「イライラ」は仕方ないの?
5つの具体的な実践方法
- イライラの裏に隠れた感情の目的を理解する|子どもの片付け問題を解消する方法
- アドラー心理学に学ぶ『課題の分離』|親子の関係をスムーズにする方法
- 子どもを信じることで育まれる自信|親が知っておくべき信頼の力
- 勇気づけの力|結果ではなくプロセスに注目する育児の方法
- イライラを手放して仲の良い親子関係を築く方法
これらの5つのステップを少しずつ実践することで、イライラが減り、子どもとの関係も徐々に良好になっていきます。
アドラー心理学は、複雑な理論ではなく、日常の子育てにすぐに取り入れられるシンプルな考え方です。
無理をせず、できるところから少しずつ始めてみましょう。
さらに、日記などで子育ての過程や変化を記録することをおすすめします。
実践を振り返ることで、親子の成長を確認でき、より楽しく子育てに取り組むことができるはずです。
今しかできない貴重な時間を、ぜひ楽しんでください。